発達障害の症状は、症状そのものは健常者でもよくあるものが多いです。
待つのが苦手、空気を読むのが苦手、片付けが苦手などは確かに健常者でもよくあるものです。
それ故、発達障害者が健常者に具体的な症状を伝えると「そんなの誰にでもあるよ。」と返されることがよくあります。時には「それを配慮してくれというのは甘えだよ」という追加攻撃まで来くることもあります。
確かに症状そのものは健常者でも誰にでもあるものが多いです。しかし、当ブログ「精神障害って何? 発達障害って何?」の記事でも書きましたが、「普通に生きていくことが困難なほど症状が重い」から障害なのです。「症状の内容は誰にでもあったとしても、症状の重さは誰にでもあるものではない」のです。
ところが、「そんなの誰にでもあるよ。」と言われた発達障害者の側が反論できないで終わる場合がとても多いのです。
何故でしょうか。健常者から見れば、相手に誤解されてしまったのですから、反論して誤解を解けば良いだけのはずと思うことでしょう。
というわけで、何故反論できないのかを説明したいと思います。
結論を先に言いますと、それは「自信がない」からです。
何の自信が無いのかと言いますと、「それは誰にでもあるものではない」と明確に否定する自信が無いのです。
何故自信が無いのか。それは、発達障害者は健常者がどういうものか知らないからです。
発達障害は生まれつきの障害ですから、発達障害者は健常者というものを経験したことがありません。発達障害者しか経験したことが無いのです。そして、経験したことが無いわけですから健常者がどういうものかを全く知りません。
健常者がどういうものかを全く知らないということは、健常者から「健常者はこうなんだよ!」と言われてもその真偽を確認する術が全く無いのです。
だから、「そんなの誰にでもあるよ」と健常者に言われた時、「誰にでもある」、つまりそれが「健常者でもある」かどうかが発達障害者には確認不能なのです。
確認不能なのですから、「そうじゃない!」と自信を持って否定することができないのです。
大抵の発達障害者は「もしかしたらこの健常者さんの言うとおりかもしれない・・・」と考えてしまって、全く反論できなくなってしまいます。
ではどうすれば良いのか。
発達障害者の側は、自信を持って否定していくしかありません。
「普通に生きていくことが困難なほど症状が重いんです! 症状の内容は誰にでもあったとしても、症状の重さは誰にでもあるものではないんです!」
と胸を張って訴えていくしかありません。たとえ自信が無くてもです。
逆に、健常者の側にはここまで書いたことを理解していただけるとありがたいです。理解まで行かなくても、知っておいていただけるだけでも結構です。
発達障害者はその名の通り障害者で、周囲の配慮無しでは生活していくことが難しいです。しかし、逆を言えば適切な配慮さえいただければなんとか生活していくことができます。
ここまで書いたことを知っておいていただけるだけでも立派な配慮です。
昨今、メディアなどで発達障害の症状などはよく報道されていますが、どのように理解すれば良いか、またはどのように配慮すれば良いかの情報はほとんど流れていません。
故に、このブログがその情報の穴を埋める一助になれば幸いです。
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